当社のアルカリ電解水「そのとき・その水」は一般的な洗剤とは違い、界面活性剤や化学薬品等が一切含まれていないので、幅広いシーンでご利用いただけます。
ただし、アルカリ性が強い(pHが高い)のでアルミ・銅・真鍮などの一部の金属に影響が出る場合があります。
それらの金属がpHの違いによって、どれくらいの影響が出るか、また他の金属(鉄・ステンレス)への影響についても検証しました。
実験方法
まず、材質が違う6種類の金属部品を用意しました。
①アルミ(リベット)
②銅(リベット)
③真鍮(ネジ)
④鉄(ネジ・メッキあり)
⑤鉄(ネジ・メッキなし)
⑥ステンレス(六角ボルト)
そして、水道水(pH7)とアルカリ電解水(pH13.1)の原液を希釈してpHの違う6種類の水を100mlずつ用意しました。
pH7(水道水)
pH9(5,000倍希釈)
pH10(500倍希釈)
pH11(100倍希釈)
pH12(10倍希釈)
pH13.1(原液)
それらの水に6種類の金属を72時間、浸漬させました。
※真鍮(ネジ)を浸漬中
実験結果
①アルミ(リベット)
まず特筆すべき点は、アルミをpH13.1に浸漬した直後より気泡が発生しました。
これはアルミ特有の性質で、アルカリに反応すると表面の酸化被膜が浸食され、「水素ガス」を気泡として発生させながら溶解していくからです。
※他の金属では、このような反応はありませんでした。
(浸漬72時間後の様子)
pH7とpH9は影響ありませんが、pH10はやや黒ずみ、pH11とpH12は真っ黒に変色。pH13.1は72時間後も浸食が進行中であったためアルミ色のままですが、溶解した分ひと回り小さくなりました。
②銅(リベット)
銅もアルミと同じく表面に酸化被膜を形成していますが、アルミよりアルカリ性に強いと言われています。
(浸漬72時間後の様子)
pH7~10は影響ありませんが、pH11は一部、pH12は大部分、pH13.1は真っ黒に変色しました。
③真鍮(ネジ)
真鍮は銅と亜鉛の合金で別名「黄銅」とも呼ばれています。含まれている銅がアルカリ性に反応するため影響があります。
(浸漬72時間後の様子)
pH7~10は影響ありませんが、pH11はやや黒ずみ、pH12は薄黒く、pH13.1は全体が真っ黒に変色しました。
④鉄(ネジ・メッキあり)
鉄はアルカリ性に強い金属ですが、錆に弱い(酸化しやすい)ためメッキ等の表面処理が施されていたり塗装されている場合がほとんどです。
(浸漬72時間後の様子)
6種類とも特に目立った影響はありませんでした。
⑤鉄(ネジ・メッキなし)
(浸漬72時間後の様子)
pH7~11は錆びが発生。
やはり、メッキが施されていない「生」の鉄は錆びやすいと言えます。
しかし、pH12以上は全く錆びません。
これは強いアルカリ性が酸化を防いでいるからです。
⑥ステンレス(六角ボルト)
ステンレスは表面に不働態被膜というものを形成しているので、アルカリ性にも錆にも強い金属です。
(浸漬72時間後の様子)
6種類とも特に目立った影響はありませんでした。
流石はステンレス。錆やアルカリにも非常に強いことがわかります。
所見
この実験結果から、アルカリ電解水「そのとき・その水」は、アルミはpH10以上、銅・真鍮はpH11以上から影響があり、鉄(メッキあり)やステンレスには影響がないことがわかりました。
「そのとき・その水」の主な使用場所であるキッチンに使われている金属は、近年の一般的なご家庭では大部分がステンレスですし、キッチン以外でも鉄(メッキあり)かステンレスがほとんどですので問題ありませんが、一部の金属には注意が必要ということになります。
しかし、この実験は浸漬という最も影響の出やすい状態での検証で、通常の吹きつけて拭き取る使用方法であれば、アルミ・銅・真鍮でも全く影響がないこともあります。
また、影響の大きかったアルミについても、家の中で使われているアルミの多くは「アルミ合金」といって純アルミに他の金属を添加させて耐食性を強くしたものが一般的ですので、一概に全く使えないということではありません。
使用する場所にアルミ・銅・真鍮がある場合は、その部分に「そのとき・その水」がかからないように注意していただき、もしかかった場合はすぐに良く拭き取って下さい。
また、使用の可否が不明な場合は無難に使用を避けていただくか、目立たない所でお試しの上ご使用下さい。