新商品の開発-さらに強い除菌力の追究
先述のアルカリ電解水の除菌効果試験では良い結果が得られなかった黄色ブドウ球菌は、人間や動物の消化器官や皮膚表面にも存在し耐性が非常に強く、飲食店や食品工場、一般家庭でも問題になることが多い菌です。
その黄色ブドウ球菌に対する除菌効果で良い結果を得るために、2014年初頭よりアルカリ電解水を使って様々な実験を実施し、除菌力の強い薬剤や界面活性剤等の化学薬品を添加する方法も検討しました。




しかし、薬品を加えると結果的に「水」ではなくなってしまうことに反対する社員が多く、紆余曲折と軌道修正を繰り返しながら、あくまでも成分を「水」にこだわり、最終的には電解水100%で結果を出す方向で意見が一致しました。
一方、これまでの電気分解の技術を応用し、別の電解水を生成することが可能でした。強酸性電解水はpH2.2~2.7、有効塩素濃度(除菌成分である次亜塩素酸の濃度)が20~60ppmである除菌効果が高い水です。厚労省の認可もあり、医療分野では器具の消毒などにも使われています。
当社が生成した強酸性電解水サンプルでも、黄色ブドウ球菌に対する除菌効果試験で良い結果が出ました。ただし、塩素臭が強いこと、使用期限が生成後2週間程度と短いこともあり、商品化するには問題がありました。
微酸性電解水への取り組みと商品化
そこで出てきたのが微酸性電解水。
こちらも強酸性電解水と同じく既に厚労省からの認可があり、2002年に「微酸性次亜塩素酸水」の名称で食品添加物の殺菌剤に指定されていました。
水に希塩酸を添加した水溶液を特殊な製法で電気分解することによってpH5~6.5、有効塩素濃度10ppm以上に調整した非常に除菌効果の高い水です。
微酸性電解水は強酸性電解水に比べ塩素ガスの発生が少ないため塩素臭は弱く、さらに劣化しにくいという大きなメリットがありました。
さっそく社内に生成システムを導入し、有効塩素濃度20ppm程度の微酸性電解水を生成することに成功しました。

微酸性電解水を噴霧前と噴霧15秒後の黄色ブドウ球菌の様子
(日本食品分析センター調べ)
2014年6月に外部機関(日本食品分析センター)で行った除菌効果試験においては、大腸菌はもちろん黄色ブドウ球菌に対しても、噴霧後わずか15秒での除菌効果が確認でき、非常に強い除菌力があることがわかりました。
その後さらに技術開発を進め、有効塩素濃度は当初の20ppmから50ppm程度まで引き上げることが可能となり、その濃度であれば使用期限は生成後7ヶ月と定めることができました。

そして、2014年9月に微酸性電解水「除菌に・この水」という商品名で自社ブランドとして立ち上げ、当サイトにて一般家庭の皆様向けにインターネットで販売させていただくことになりました。
さいごに
以上、当社が電解水を研究開発し、商品化に至った歴史のご紹介でした。

<現在の電解水製造現場>
今後もさらに電解水の研究開発を進め、成分は「水」だけにこだわり、人と環境に優しい商品を皆様にご提供できるよう一層の努力を続けてまいりたいと思います。